新古典主義の理想を再現しようという努力が今のスーツに残した成果は何であったか。上着では、肩・胸・腰回りのバランスを、古典古代英雄像のゴールデンープロポーションに近づけるべく詰め物や裁断の技巧によって工夫されたこと。現在のスーツにもそのプロポーションの残響をかすかに感じることができる。下半身では、腰から足首まで一直線のラインを作る、というスリムな長ズボンが導入されたこと。これは現在の筒型長ズボンへの橋渡しをする重要な衣服となったが、同時に、男性性を強調する衣服として、表現することすら恥ずかしいと感じさせるほど、最後のあだ花的に狂い咲いたのだった。これを最後に、男性の脚線美は、男性性を誇るべき基準として問われることはなくなった。さて、この時期のイギリスの男性服に、ひいては世界の男性服に、決定的に大きな影響を及ぼした要素が、実はもう一つある。それは、カントリー・ジェントルマンの生活様式である。
あなたはいつもどんなハンカチーフを持っていますか?そして、どんなふうに選んで買い求めていますか?この質問をあなたに向けているのは、ハンカチーフ一枚へのこだわりがなかったら、どんなにおしゃれをしてもワンランク上の女性にはなれないからです。ハンカチーフは女性にとって一番大切なおしゃれの小道具なのです。日本人にとっては、ハンカチーフは手を拭く「ハンカチ」のイメージが強いようですが、もともとヨーロッパの淑女たちの間では、ハンカチーフは指先のおしゃれな小道具として扱われてきました。オペラハウス全盛の時代には、ドレスに合わせた絹のハンカチーフを指先で揺らしながら、オペラ鑑賞を楽しむのが淑女たちの日常でした。名場面で涙を拭ったり、汗を抑えたりと、様々な色や柄のハンカチーフがオペラハウスを彩っていたなんて、想像するだけでもロマンティックだと思いませんか。そういった華やいた社交界に色を添えた絹のハンカチーフに魅せられた私は、それが高じて、二十年ほど前から当時のアンティークの絹のハンカチーフを収集し、それを再現させる専門店まで開いてしまったほどです。
チノパンツ(chmopants)は、目のつんだベージュやカーキ色の丈夫な木綿チノークロスで作られた、男性用のスポーツパンツ。もともとは軍服。1950年代からスポーツウェアとして、60年代初めにはアメリカの大学やハイスクールなどで通学着として大流行した。ブルージーンズ同様、定番のカジュアルアイテム。ミリタリーセーター、肩や肘の部分に補強用のあて布がされた、カーキ色のプルオーバースタイルのセーター。第一次世界大戦時、米軍歩兵に支給された。そして、ダッフルコート(duffelcoat)は、厚手の起毛ウール素材のフードつきショートコート。角型のトグルに皮紐をかけ留める。ベルギーのデュフェルで作られたウールを用いていたことから呼び名がついた。第二次世界大戦の頃、イギリス海軍で着用され、戦後の「放出品」として一般に出回った。ノルウェーまたはアイルランドの漁師の作業着、フランドル地方の羊飼いなど、その起源にはさまざまな説がある。